石田孝夫さんの著書「ブータンに図書館をつくる」

20100616

 

 

 

 

著書「ブータンに図書館をつくる」の表紙

著書「ブータンに図書館をつくる」の表紙民族衣装”ゴー”を着て仕事中の著者(著書巻末より転載)
民族衣装”ゴー”を着て仕事中の著者(著書巻末より転載)

 

  当コーナーでは大先輩のご活躍の紹介が続いております。「後輩たちはどうしているんだ!」との声が聞こえてきそうです。そこで、我が同期生の石田孝夫さん(昭和44年卒)の1993年に既刊の著作を遅れ馳せながら紹介させていただきます。

 

 著書名は「ブータンに図書館をつくる」(明石書店刊、1995年第2刷)。サブタイトルには”青年海外協力隊員の730日”とあります。

 

 石田氏は安定した大学図書館職員の職を辞し、1990年4月より単身でブータンに向かいました。目的は著書名にある通り「図書館をつくる」。本はあるものの分類・整理が不十分な状況を図書館のプロとしてどう改善していくかの試行がブータンの風習などを紹介しつつ綴られています。

 

 また、GNPよりもGNH(グロス・ナショナル・ハピネス)、つまり「モノがたくさんあることだけがシアワセ?」との考え方を提唱するブータンで「本当の豊かさとは?」を我々日本人に問いかける氏の記述は強い説得力で私たちに何かを訴えてきます。

 

 帰国後も石田氏は「日本ブータン協会会員」として両国の友好に尽力されております。母校では「先輩に学ぶ」の講師を担当され、後輩たちにブータンでの貴重な体験を熱く語って下さいました。

 

 ブータンを知るための入門書としても楽しめる内容です。ご一読をお薦めいたします。

T.I (昭和44年卒)