文化祭『南魂祭』にあかね会も参加

20170922

 

 


南魂祭のポスター

校門に向かう歩道に飾られた南魂祭の案内パラソル


正門正面に設置されたゲート



校舎に掲げられたクラスごとの幟


棕櫚細工に見入る小学生と指導する井上さん


棕櫚細工のバッタなどの動物


中等卒業2期生による飲食店「あかね屋」


教室で行われていた演劇


体育館で行われた吹奏楽と太鼓のコラボ演奏


中庭で行われたパフォーマンス


中庭で行われた書道のパフォーマンス

 

 南多摩高校閉校の後を受けて“南多摩”の校名を引き継いだ南多摩中等教育学校単独初めての文化祭『第109回南魂祭』は、9月9日(土)〜10日(日)に母校で開催されました。今年は前日まで雨や曇りが続き、気温も低かったのですが、当日は一転してよく晴れ気温も上がりました。同窓会「あかね会」の会場は、今年も西館玄関から入り階段を上がって直ぐの2階6-Cの教室で棕櫚の葉によるバッタ作りやと東館1階のランチルームの「あかね屋」による飲食販売でした。
 西館2階の展示コーナーでは、南多摩の歴史のパネル展示卒業生による本の展示のほか、中央にテーブルと椅子をセットし同窓生や訪れた一般参加者との交流の場を提供しました。
 また、44年卒の井上務さんによる棕櫚の葉を使ったバッタ、カタツムリ、カエル、馬のしおりなどの棕櫚細工の体験コーナーを設置し、小学生から後期生までが参加しました。中には何度も訪れてその都度違う作品にチャレンジする人もいました。
 東館1階ランチルームの「あかね屋」では、今年の卒業生がおにぎり・冷やし中華のほか、飲み物やかき氷などを販売し、訪れた人の列が絶えませんでした。
 教室を会場に行われた在校生による展示や演劇も多くの人で賑わい、体育館での講演もいつも席が満席状態でした。
 このほか、日曜日には中庭でダンスや大きな書道のパフォーマンスが行われ一段と盛り上がりを見せていました。
 以下は昨年の卒業生が寄せてくれた今年の南魂祭の様子や感想です。


 第109回 南魂祭(文化祭)を見て

                  南多摩中等教育学校 1期生 清水悠平

 私が南多摩を卒業して最初の年である去年の文化祭は、あかね会の一員として「喫茶AKANE」という飲食団体を運営していたので、今年が今までで、初めて純粋なお客さんとして見て回ることができる文化祭でした。
 久しぶりに正門を通り、古代エジプト風に装飾された門を抜けると、様々な立て看板や垂れ幕が青い空を背景として広がっていて、懐かしい思いでいっぱいになりました。
 昇降口を先頭として、開場待ちの人々が校門に迫るほどの長蛇の列を形成しており、保護者の方をはじめ、卒業生や地域の方などの様々な人がいて、皆に愛されている学校であるとの思いを新たにしました。
 友人から聞くところによると、文化祭2日目は履物が足りなくなり、校内へ土足で入る許可が出される程であったようです。今後、更に文化祭を訪れる人が増えることが予想されるので、来年以降は当たり前のことになるのかもしれませんね。
 さて、文化祭を見る上での私のテーマはあかね屋と最高学年の劇を見ることでありまして、目的の全てを観ることに成功しましたので、以下に感想を記します。

・6-A「マンマ・ミーア!」
 原作は、初演が1996年にロンドンで行われたミュージカル。小ホールで行われた6-Aでのこの作品は、何と言っても主人公のソフィの演技や歌がとても自然で上手であったのが印象に残っています。また、クラス全員で踊っているのではないかと思ってしまうほど、大人数でダンスを披露し、観客を圧倒していました。個人的には舞台に張り巡らせた電飾が、一昨年、我々の学年が演じた「アニー」での装飾を彷彿とさせ、それが参考になっていたらいいな、と思いました。小ホールは暑かったですが、うちわを配るという形での工夫もGoodです。

・6-B「天使にラブ・ソングを」
 原作は1992年制作のアメリカ映画で、私は原作の筋書きを知らなかったのですが、後々調べてみたところ、原作を忠実に再現して作られていたようです。視聴覚室を横に使うという点が僕には新しく感じられ、花道や客席の間を縦横無尽にシスターが駆け回るシーンは迫力がありました。知らない話なのにスッと理解できる台本を作り上げる凄さと、脇役までちゃんと立っているキャラクター性、そして何よりも雰囲気の違う歌を繋げて歌い上げる技量に感動しました。

・6-C「ライオン・キング」
 原作は言わずと知れた1994年のディズニー映画です。日本では1998年から劇団四季が公園を続けている。6-Cは6年生唯一の体育館公演にチャレンジし、広い場所を活かしきった演出からは、まさにライオンの雄大さと迫力が伝わってきました。最も上手に黒子を使いこなし、公演開始直後、物語の舞台であるプライドランドに住む生き物たちが登場するシーンでは、思わず「劇団四季みたい……」と声が出てしまうほど、ダンボール等によって制作された動物たちがそれぞれの個性のある動きを見せていたのが印象に残っています。最後のシーン、机を組み立てて作ったプライドロックから吠える主人公を観て感動してしまいました。

・6-D「アラジンと魔法のランプ」
 原作は諸説ありますが、イスラムの説話集である千夜一夜物語が有名でしょうか。話はディズニー映画版でしたね。今年のグランプリ作品です。個人的には、なぜか脇役が特に印象に残っていて、主人公のアラジンの友達の猿であるアブーや魔法の絨毯など、言葉を話さないキャラクターから感情がよく伝わってきて、大変よかったです。それだけ身振り手振りで伝える練習をされたのでしょうか。コメディリリーフが適度に入り、内容をよく知っている物語でありながら、終始退屈すること無く楽しむことができました。

・あかね会「あかね屋」
 昨年の「喫茶AKANE」に引き続いて、今年は2期生の有志が出店してくれました。準備は合唱祭後くらいから始めていたようで、瓦屋根のような装飾も素敵でした。実は去年企画しつつ頓挫した企画として、レジのシステムを作って運用する、というものがあったのですが……なんと今年はそれが実現していて感動しました。自分たちの始めたことが引き継がれたということを大変嬉しく思います。
   
   1期生の思いを引き継ぎ、進化した飲食店「あかね屋」

 全ての団体を巡ることができなかったのは残念ですが、学校というスペースを活かしきった、活気のある文化祭でした。来年以降も伝統を引き継ぎ、時代に合わせて変革もしながら、この魅力的で楽しい文化祭が存続することを願います。