八王子で宮下真理子さん(平成6年卒)の個展を鑑賞して

20110721

 

 

 

 

 

 

 

宮下さんのカタログ「百花爛漫」

 

大絵画の前でトークする宮下真理子さん

 

会場を訪れたあかね会会員と記念撮影

 日本画を描く手法に岩絵具がある。天然の鉱石を原料としたもので、水に溶けないので、膠(にかわ)で練り合わせて描く。

  色数は少なくシンプルだが、鮮明な色調が長期間保存できるので、あえてガラスケースに入れなくてもよい。

  あの有名な高松塚古墳の壁画や源氏物語絵巻は、この手法で描かれている。

  今から1400年前頃に中国・朝鮮半島から伝わったといわれるが、その技法は日本でさらなる進化を遂げた。

  ルネッサンス時代に発展した油絵技法と比べても歴史は古く、岩絵具の美しさは長い年月が経っても変わらず、日本が世界に誇る伝統美術のひとつでもある。

  宮下真理子さん(平成6年卒)の日本画展『百花爛漫』が、地元八王子のそごう美術画廊で7月5日〜11日に開催された。

  宮下さんは岩絵具を用いて鮮やかな日本画を描くのだが、彼女が描いてきた花鳥や風景、八王子の自然には、すべての題材にモデルが必ず存在する。

  今回は地元八王子での初めての個展ということで、期間中はあかね会会員や関係者が多数会場を訪れ、その鮮やかな筆使いを大いに堪能していた。土・日に行われたギャラリートークでは、会場の椅子が足りなくなるほどの盛況だった。

  南高、東京芸大出身で博士号を持つ宮下さんのこれからの活躍に注目して欲しい。

(広報)

宮下真理子さんのブログ

http://www.miyashita-mariko.com/weblog/


「百花爛漫」に寄せて


 何気なく眺めているものが一瞬芭鮮やかに煌めいているように見えて、ふと足を止めることがあります。

  それらに目を凝らレつぶさに硯察して拾い集めてみる・・・それは光であったり、彩りであったり、風であったり、生命だったり・・・ 瞬きしただけで見失いそうな小さなメッセージを見つけることができると胸がときめきます。

  私にとって絵を描くことはそんなメッセージを見つけて感動することから始まります。

 「百花爛漫」―  今回、これまで得意としてきたモチーフに加え、新たな境地を探るように風雅や様々なテーマに取り組んでみました。その様子を、"百花の花のように咲き、自然のまま思い思いに輝き現れる"ことを目指してテーマとしてみました。

 今回、地元八王子での個展の機会に恵まれ、沢山の思いを込めて制作させていただきました。慣れ親しんだ八王子はどこを散策すれば何があるか、どんな風景があるのかが目を閉じていても手にとるようにわかるところです。自然豊かな魅力溢れる八王子が持つ風景やモチーフを織り込んだ作品を楽しんでいただけましたら幸いです。

 この度、地元八王子での大々的な個展の機会をいただきましたこと、また、今回の個展に寄せて過分なお言葉を賜りました恩師、田渕俊夫先生に深く感謝いたします。

宮下 真理子(平成6年卒)