昭和31年卒、小俣(伊藤)末吉氏の日記「高校雑記 三年間の思い出」

20100712

 

 

 

 

 

 

 

  今回ご紹介いたします「高校雑記 三年間の思い出」は昭和31年卒、小俣(伊藤)末吉氏の日記です。読み終えた時「高校生活をここまで充実させることができるのか!」と驚嘆いたしました。とにかくスゴイ日記です。

 

  日記は「昭和28年3月14日(晴)今日は高校入試合格の発表の日である」から始まります。天文部、演劇部、柔道部、山岳部・・・で大活躍、女子学生にも相当モテモテだったようです。生徒会副会長もつとめました。図書館で「学問」(著者は“強いて勉める”勉強という表現をせず“学び問う”の思いを込めたのでしょう“学問”を多用されています)するシーンもたくさん出てきます。

 

  日記の作者はトレードマークの破れ帽子と腰に手拭い姿で南多摩高校を闊歩。しかし、幅をきかせて、周辺が恐れをなすというようなことはなく、実に好青年だったようです。各地を旅し、藤村の詩を愛すその好青年の行動力は文武両道なんてものではないのです。八面六臂、縦横無尽、スーパースター・・・。それでも足りません。なんて表現したらよいのか・・・。

 

  在学中に母校の45周年を迎えられた頃の皆さん!ご一読を!!。きっと「あの破れ帽子の・・・」と遠い昔が見事に蘇ってくるに違いありません。丹沢で九死に一生を得た記述は迫真のルポルタージュで実に読み応えがあります。

 

  この日記を発掘されたのは百周年記念の記念誌「湧水万古」の編集長であった染谷氏。記念誌に掲載しようと考えたもものあまりの「個性的文面」に記念誌のどのジャンルに入れて良いのか迷い続け、結局は記念誌への掲載を断念したのでした。「しかし、これを温存しておいてはいけない」と一念発起し活字化されました。労作業ありがとうございました。

 

  現役生が読んだらひっくり返るかもしれない高校生活が綴られていますので現役の高校生には読ませない方が良いかも知れません。もちろん中学生に読ませてはいけません。しかし、卒業生が読んだら面白すぎて寝不足になること間違いありません。ですので、明るいうちから読み始めることをお薦め致します。

 

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井上務 記(昭和44年卒)