元教員の本

母校のお宝蔵本を、吉澤秀明先生が完訳

20201025

 『完訳 本朝高僧傳』(小径社)―いよいよ刊行開始!研究者、図書館必携の書 わが国最大かつ最高水準を誇る僧侶の伝記大成―

 


『完訳 本朝高僧傳』(一)表紙


元南多摩高校国語科の教員だった吉澤秀明先生(ペンネーム:斯于明 しうめい)の御著書です。
高価な本ですが、吉澤先生が南多摩に寄贈してくださいました。図書室にあります。
原本はどこにあったのか。母校の西側階段下倉庫にあったのです。
この本は、達磨大師・鑑真・空海・最澄・道昭・栄西・義淵ら日本の高僧の伝記集。臨済宗の僧侶、卍元師蛮 (まんげんしばん)により元禄15年(1702年)に完成、宝永四年(1707年)の刊本。日本でも指折りと言えるようなお宝本とのこと。埃にまみれて放置されているのを吉澤先生が発見し、退職後、膨大なエネルギーをかけて研究し、漢文で記された原文に訓読・語注を施し、完全現代語訳を果たしたのです。吉澤先生によると、他にもお宝蔵本があった(ある?)とのことです。
吉澤先生は御著書の寄贈に当たって次のようにその趣旨を述べておられます。「この書(元本および蔵書)の意義と、この書の価値とを、何とか南多摩に関係する皆様や、『あかね会』の皆様に知っていただきたい、さらにまた、南多摩に学ぶ次世代を担う生徒の皆さんにも、お伝えしたいと思うのです。」
吉澤先生の願いが少しでも多くの人に届くことを、私も心から願っています。
              (昭和45年卆 小林幹彦 記)